待機児童とは、入所の条件を満たし申請しているにも関わらず、入所できない子供のことを指す。
厚生労働省の調査によると、2019年4月1日時点で待機児童数は1万6,772人いる。
ここでポイントとなるのは、最初から認可保育園を諦めて、認可外保育所や認定こども園を利用している子供たちはカウントされていないということである。
実際に、子供を希望の保育施設に預けたいのに預けられない人や、前述の認可保育園以外を利用している人は全国で7万人強いると言われているのだ。
隠れ待機児童が多いと言われているエリアは、神奈川県葉山町、東京都国分寺市、東京都中央区などが挙げられる。
女性の多くが就業をしているのだから、産後に仕事復帰をすることを考えるのであれば以前より多くの保育園が必要なのは当然だろう。
なぜ増やせないのかというと、大きく分けて理由は2つ挙げられる。
1つめは、保育士の過酷な就業条件による保育士不足である。
数十人の子供のお世話をするだけでなく、日報などのデスクワーク、子供たちの体調や安全管理など、一日中休む間もなく働きづめである。
それなのに年収は約350万円前後と薄給なイメージがあり、仕事内容に見合っていないと感じている保育士は少なくない。
したがって、保育士の資格を持っていても現場で働いていない人、潜在保育士が全国に約80万人いると言われているのである。
2つめは、新しく保育園を作るにはかなり大きな土地が必要となること。
まず基準を満たす場所を見つけるのが難しい。
見つけたとしても、騒音問題などで近隣住民からの反対活動にあうことが多いのだから、簡単に保育園増設とはいかないのだ。